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学力低下の現実③
 前回、前々回と学力低下についての記事を書いた。これは学力的に真ん中より下の子のほうの様子を見て、計算力や読解力が著しく劣っているという子どもたちが、ここ数年特に増えているという例をあげたものである。
 しかし今私が一番重大な問題であると気にかけているのは、もっと別のところにあるのである。  

 
 現行のゆとり教育は、学力的に下の生徒ができるだけ遅れないようなカリキュラムになっている。成績のいい子や理解度の速い子やもっと学びたいという子には、十分な対応がされているとはいえない。
 もちろん教科書には発展的内容があるのだが、必修ではないので学校の裁量に任されている状態だ。人間は本来ラクをしたい生き物だから、高校入試に出題されないとわかっている内容を、今の打算的な子どもたちが自らすすんでやるとは思えない。

 成績上位の子たちへのフォローがきちんとされてないから、それ以上新しいことを学ぶことをやめてしまって、さらに次のステップに上ろうという意欲が失われているのだ。現状ですでに妥協してしまっている、成績のイイ子がなんと多いことか。
 
 ここ数年「この子できるな。」と感じさせる生徒がほんとに少なくなった。学力優秀な生徒の割合の減少には、ほんとうに強く危機感を抱いている。


 レベル差がつきやすい数学では特に顕著だ。中2数学連立方程式の文章題の例。

2%の食塩水と5%の食塩水を混ぜて、4%の食塩水を300g作りたい。2種類の食塩水を何gずつ混ぜればよいか求めなさい。


x+y=300
x・2/100+y・5/100=300・4/100

〈答えは2%の食塩水100g,5%の食塩水200g。式はブログの都合上数学記号など表すの大変なので、ちょっとわかりづらく申し訳ない。・はかけざんのこと。〉

 はっきりいって、これぐらいの問題は濃度の概念がわかっていなくても、式がワンパターンしかないので、暗記していれば深く考えずに式を立てることができる。今のゆとり教育のカリキュラムでは、やったとしてもこんなレベル。成績上位といわれる子であっても、これ以上のレベルの問題はおそらくやらないだろう。教科書にも載ってないし…。



 昔の成績上位の子たちはこれぐらいの問題をやっていた。

濃度の異なる300gの食塩水Aと200gの食塩水Bとがある。この食塩水A,Bをすべて混ぜたら、食塩水Aより2%低い濃度の食塩水ができた。その混ぜ合わせたものに、さらに水を500g入れて混ぜたら、食塩水Bと同じ濃度になった。食塩水A,Bの濃度はそれぞれ何%か求めなさい。


(3x+2y)/500=(x-2)/100
(3x+2y)/1000=y/100

〈別の式でも解ける。答えは食塩水Aは8%,Bは3%〉

 成績上位といわれる子たちであっても、今の中学生には解けないだろうな~。というより、問題文の意味わかるのか?

 
 これはほんの一例にすぎない。このような難易度の高い問題を扱わないのだから、今のこの状況は当然といえるであろう。




 秋田県公立トップ校のボーダーラインは5~6年前と比べて、50点近くさがっているというのが現実だ。これは試験問題が極端に難しくなったということではない。十分な点数を取れた受験生が人数的に少なかったから、必然的にボーダーが下がってしまったのだ。
 これは明らかに学力優秀者の割合が減ってしまっているということを意味している。
 
 今のゆとり教育では、成績上位者の貴重な芽を摘んでしまう状況をうみだしているといわざるをえない。日本の未来がますますもって心配である。

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テーマ:学力低下 - ジャンル:学校・教育

学力低下の現実②
 今週うちの塾では中3年生を対象に、模擬試験を実施している。秋田県の高校入試と同じような傾向で作っているもので、目的としては今までやってきたことの確認と、わからないところの発見などといったことである。さらに、入試に備えて問題の傾向に慣れてもらおうという意味もあり、年に数回おこなっているというわけだ。

 
 秋田県の公立高校入試の国語には作文が出題される。あるテーマについての自分の考えなどを200字程度で書くといった内容だ。配点は100点中12点となっている。

 
 ということで、当然、塾の模擬テストも同じ形で出題したわけなのだが…

 まあ、今回に限ってのことではないのだが、どうも最近の中学生の文章作成力、表現力のなさには本当にがっかりしてしまう。小学校低学年が書いたんじゃないかと思わせるような、何を言っているのか、わかんないような作文が目に付いてしまうのだ。

 
  今回の作文のテーマ
"古いものの良さと、新しいものの良さと、どちらをより大切にしたいか"について、立場を明確にし、その理由がよくわかるように体験や具体例を示して150字以上200字以内で自分の意見を書きなさい。

 
  これに対してある生徒の作文
 
 僕は、古いもののよさを大変にしたほうがいいと思います。
「大変?大切の書き間違いかよ?」

 理由は、新しいもののよさを大切にすることは簡単だけど、古いもののよさを大切にするのは難しからです。
「難しいだろ! "い" が抜けてるよ!」

 僕は、新しいものが出るとほしくなって、古いもののよさを忘れてしまうことがあったからです。
「文末の"からです"と主語の"僕は"が対応してないだろ!」

 だから僕は、古いものを大切にしていったほうがいいと思いました。(終わり)
「えっ、もう終わり?短いなあ~。書き出しはいつも "僕は" からなんだな。小学生の夏休みの日記じゃないんだから。どれだけ自分のこと好きなんだよ?それと具体例とかいれないと古いものを大切にするという理由が相手にうまく伝わんないだろ!それから書き終わったあと校正しろよ!一応自分で書いた文、読み直さねえか?」


 まあ、こんなツッコミどころ満載の作文のオンパレードなのだ。これでもまだましなほうなんだけど…

 計算力などといった目に付きやすい学力低下は、その都度なにかしらの対策はたてやすいとは思う。しかしこうした作文を書くなどといった力は、なかなかハッキリとは点数化されないので見落とされやすいのではと思う。こういったところにも学力低下の魔の手が忍び寄っているのである…

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テーマ:テスト - ジャンル:学校・教育

学力低下の現実①
 久しぶりの更新です。長い間休んでいましたが、またのごひいき宜しくお願いいたします。

 
 さて、うちの塾も他塾にもれることなく夏期講習なるものを催し、時間を大幅に延長して、暑い中、授業をおこなってきた。こちらの地区は夏休みは8月いっぱいではなく、24日までだったので、無事終了したというわけなのだが…。それにしても、疲れた。
 まあ、私自身が年齢を重ね、体力的にしんどかったというのもあるが、この疲れようはそれだけではないような気がするのだ。

 
 夏期講習のメインは中3年生になるわけだが、うちの塾の中3年生の学習目標は "中1~2年の内容を総復習し、完全に理解する" というもの。何年か前までは、まあ、完全理解までは達成できなくとも、7~8割ぐらいは理解できていたという感じだった思う。ところが、ここ最近の、この悲惨な状況はいったいどうしたことなのだろう。

 
 前から通ってもらっている塾生はまあそこそこ大丈夫なのだが、新たに夏期講習から参加した生徒なんかは、中1~2年の単元は、全く無に近い状態。ほとんどゼロからのスタートなんで、ほんとに一から十までの詳しい説明が必要。これがものすごくツライ。
 中1~2の内容の2年間分の内容を、わずか3週間ほどの講習のなかでやらなきゃなんないんで、とにかく時間がいくらあっても足りないくらい。

 
 とある生徒。中2の理科の電流の単元のところ。直列回路,並列回路での電流,電圧,抵抗の関係をやっとこさ理解させ、オームの法則の使い方もわかりやすく説明し、「よし、じゃあ、実際に例題でやってみよう。」ってことで、

【問】ある電熱線に6Vの電圧をかけたら0.15Aの電流が流れた。この電熱線の抵抗を求めよ。

 抵抗=電圧÷電流だから "6÷0.15=" という式。ここまではわかったんだけど、そのあとが…  

 「ん?どうした?」このひっ算を前にじ~っと固まっている。どうやら割り算は特に苦手らしい。さらに小数が出てくるとますますよくわかんないという。(ちなみに彼は中3)これって小学校4,5年生の計算だよなあ~。この解き方の説明に貴重な時間をかなり費やしてしまった。

 
 このような瞬間はまさに、奈落の底に落とされたような、そしてもう2度と這い上がってこれないんじゃないかと思うような、おも~い気持ちになってしまう… 「もううちの塾の限界を超えてるよ。(涙) どっか計算専門の塾にでも行ってよ。こっちは高校入試の受験生を対象に指導したいんだよ~。(涙さらに涙)」(心の声)
 
 
 
 って言えたら、どんなにスッキリするか。"顔で笑って、心で泣いて" 心の声を押し殺して、これからも老体にむち打ってこんな中でもやっていきますけどね。
 
 まさにゼロからのスタートで、説明の時間も倍に増え、このような形で精神的にもダメージを受ける。ホント疲れるはずだよ!

 次回に続く。

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中学生の計算力について
 子供たちの学力低下が叫ばれて久しいが、塾講師である私が、その中でも一番由々しき事態と感じていることについて述べさせてもらう。中学生なのだが、何年か前と比べると、確実に、計算問題を解く力が低下している。もっと詳しく言えば、ひっ算がいらないような簡単な計算で、瞬時に答えを出す暗算力といったものが著しく劣ってきていると感じられる。

 
 例えば一次方程式で 40X-17=26X+39 移項して 40X-26X=39+17
このとき "40-26=" "39+17=" をひっ算を使って出そうとする子が目についてしまうのだ。もちろんこのような子はそれほど多くはないが、やはりスピードといった点ではその時間的ロスは大きい。数学のテストなどでは、時間制限もあるのだから、こうした簡単な計算の暗算力がないとそれだけ不利になってしまう。

 それ以外にも三角形の内角の和が180°であることから残り一角を求める問題。式が "180-115=" これぐらいでひっ算を使われてしまうと、ちょっとがっかりしてしまう。(もちろん答えが合っていたときには「よく出来た!」と顔で笑って、心で泣いて…)

 あとよくびっくりするのは"152×10=" "2700÷100="という計算をひっ算でやろうとするとき。かえってひっ算の方が0の数ありすぎてややこしくないのか?ここまでくると10進法の概念が理解されているかどうか怪しくなってくる。これはいずれも中学生の話なのだ。

 中3年生は今ちょうど因数分解のところを学習し終わったあたりだと思う。
① 2+5X-14= (X+7)(X-2)  ② 2-10X-24= (X+2)(X-12) このようなやつ。
それにしても答えを出すのが遅い。瞬間的にパッと出ない。何年か前なんかは20問ぐらいの問題なんか数学苦手な子でも2分もあれば全部出来てたのに、根気や集中力が無いせいもあるけど、今は5分以上かかってしまう子も多い。

 これは、私に限らず、長いこと塾講師に従事している方や、もちろん学校の先生方などは痛切に感じていらっしゃることではないだろうか。

 
 計算問題を速く正確に解くには、反復練習以外の方法はないと思う。小学校の低学年時から、1日10問でもいいから毎日継続して計算練習をする習慣を身につけさせてもらいたい。小学生のお子さんをお持ちの保護者の方にお願いしたいことだ。学校の授業時間内だけでは絶対に足りない。100点満点取ってるから大丈夫ではなく、(小学校のテストはだれでも満点取れるように出来てるんで) 出来る問題も繰り返しやらせ、学校では取り扱わないかもしれない発展的な内容の計算なんかもチャレンジさせてほしい。
 
 
 これを書くにあたってあらためて知ったことだが、(うちの塾には小学生がいないもので) 今の小学生は3けたのかけ算とか、4けたのたし算とかは発展的内容になってるんで、特別時間がなければやらないんだということ。それ以外にもやらないらしい内容がいっぱいあった。
 そりゃあ、計算力は下がるわな!小学校のツケが中学校にというわけだ。そして高校、大学へと… 日本の未来はどうなる?

テーマ:学力低下 - ジャンル:学校・教育

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